先週は米株安などをきっかけに円が急騰。5日の朝方には円は対ドルで1カ月半ぶりに1ドル=105円台に上昇し、対ユーロでは昨年8月以来の高値となる1ユーロ=150円台を付けた。同日発表の米雇用統計は雇用者数、失業率ともに市場予想を下回り、米景気が想定以上に停滞している様子が浮かび上がった。
今週は12日に8月の米小売売上高が発表される。米政府の所得税還付の効果が続いたかが焦点。個人消費の冷え込みが鮮明になれば、ドルは上昇しにくくなるとの指摘は多い。一方、日本の景気後退を裏付ける指標が続けば、円安に振れる可能性もある。世界的な景気停滞で投資リスクが取りづらくなる中、取引量が細れば、円相場が一方向に進みやすくなる。
[9月7日/日本経済新聞 朝刊]