2008年09月15日

今週の株式見通し

 今週(16―19日)の株式相場は波乱含みの展開か。最大の注目材料は経営不振にあえぐ米証券大手リーマン・ブラザーズの再建問題。不安が沈静化せず迷走が続くようだと日経平均株価が3月につけた年初来の安値(1万1787円)を割り込む場面もありそうだ。原油の先高観が後退するなかで日米欧の金融政策にも関心が高く、金融緩和ムードが高まれば相場は反発する可能性もある。

 先週は米政府による住宅公社の公的管理を好感し週初は上昇したものの、世界経済の減速懸念は根強く景気敏感株には売りが継続。日経平均は前の週末と同水準で取引を終えた。

 今週の焦点は米国の金融不安問題。米リーマンの経営不安が解消に向かえば「日本株も買い戻し中心に反発が見込める」。ただゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーの決算発表を控え、「リーマン問題が解決しても他の金融機関の経営不振が残る」と警戒する声もある。

 国内では自民党総裁選が佳境に入る。株式市場も新しい政権へのシナリオを模索する時期となるが、「政局の行方を見守りたいとして買い手控え要因にはなる公算が大きい」。

 薄商いが予想されるなかで市場が警戒するのが株価指数先物の値動きだ。「日経平均が1万2000円といった心理的な節目に接近すると、上期の決算期末を控えた機関投資家からヘッジ売りが出やすくなる」。先物主導で相場の下げが進む可能性もありそうだ。

 今週は16日に日銀の政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。世界的な景気減速感が強まる一方、原油先物が先週末に一時1バレル100ドルを割り込むなどインフレ懸念が後退しており、「利下げの方向が見えれば相場に追い風になる」との声もある。
[9月14日/日本経済新聞 朝刊]

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