先週(1―5日)の日経平均は一週間で279円35銭(1.7%)上昇。米景気の後退懸念による株価急落の不安が薄れ、8月9日(1万7170円60銭)以来約2カ月ぶりに1万7000円台に乗せた。出遅れていた銀行などの金融株が相場をけん引する場面が目立った。
投資家心理は改善してきている。外国人は「欧米やアジアと比べて出遅れが目立つ日本株を買おうと考えている」。個人も「このところの新興株の売買の盛り上がりをみると、投資意欲が復活してきているのがわかる」という。
ただ3月期決算企業の中間決算発表の本格化が近づいているため、当面は様子見姿勢の投資家も多いとみられる。ソニーの金融子会社、ソニーフィナンシャルホールディングス(SFH)が11日に東証一部に上場する予定で、注目を集めそうだ。週末は株価指数オプション10月物の特別清算指数(SQ)算出が控える。思惑的な売買で値動きが荒くなる可能性もある。
国内に手掛かり材料が乏しいだけに、投資家は引き続き米国株など外部環境をにらみつつの売買となりそう。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の余波に対する不安は、完全に払拭された訳ではない。米国の9月の小売売上高などの経済指標が弱含めば株価は敏感に反応する可能性もある。香港などアジア株の動向にも注意を払いたい。為替相場は週末に円安・ドル高が進んでおり、週明けの東京株式市場では好感されるだろう。
[10月7日/日本経済新聞 朝刊]