2007年09月20日

溜まっていた買エネルギー

FOMCの利下げを好感、信用収縮の懸念が薄れたことでここまで溜まっていた買いエネルギーが一気に放出されているようです。

米証券大手モルガン・スタンレーの決算発表や、昨夜の消費者物価指数も落ち着き、住宅着工件数も予想ほどは悪くなかったと言うことでNYダウが続伸すると、ドルが買われドル円は116円台前半まで上昇、高値圏にて小動きの展開となりました。

また、日銀が利上げを見送ったと言うことで、円キャリー取引解消懸念もとりあえず払拭され、落ち着いた動きとなっています。経済指標もサブプライム問題の影響を感じさせるものは少なく、信用収縮懸念も一服となっているようです。

原油価格や金価格も堅調なことも、インフレ懸念というよりはリスク資産への資金の流れが復活した、との見方も強いようです。
posted at 08:45 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年09月12日

過去2回は利下げに転換

昨夜のトリシェECB総裁発言を受けた利上げ観測期待が、ユーロ上昇をサポートしています。ユーロが対ドルでストップを巻き込み1.3886へと上昇し、史上最高値を更新しました。

ユーロが史上最高値を更新したことがドルの上値を重くしドル売り地合いが強まるなか、ドル円は114円の大台を割り込んでいます。

一方、ポンドは軟調推移で、キングBOE総裁が異例の声明を発表しました。過去2回の緊急声明後は利下げに転換していることから、利上げ観測が後退、ポンドクロスでポンド売りが断続的に出ている模様です。
posted at 22:30 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年09月10日

「0.25%か0.5%か」焦点

今週は窓明けで始まりましたね。ドル円は一時112.58円まで下落し、8/17以来3週間ぶりの安値を付けました。

これで、サブプライムローン問題の深刻化を背景に、FRBが本格的な利下げに踏み切る公算が大きくなってきました。市場関係者は18日の利下げをほぼ確実視しており、0.25%と0.5%のどちらの下げ幅を選択するかに関心が移っています。
posted at 08:43 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年09月06日

円買い優勢

中国が25日から預金準備率を12.5%に引き上げ(引き上げ幅は0.5%)と発表。このニュースを受けて、円買い優勢となっています。また、欧州株が反落していることからリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円ともに下落に拍車をかけている模様です。
posted at 21:15 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年09月05日

リスク回避の動き強まる

渡辺金融担当相の「円キャリートレードの巻き戻しリスクが残る」との発言が伝わったことに加え、日経平均株価が262円安となったことで、リスク資産回避の動きが強まり、円買い優勢となり、ドル/円・クロス円は昨日のNY時間の上昇分をほぼ打ち消しました。

金融機関のサブプライムに絡んでの損失の噂が繰り返し出ていることもあり、依然として信用収縮への警戒感は解いていない模様です。さらにADP雇用統計も事前の予想を下回ったことで(予想:8.0万人、結果:3.8万人)、米景気に対する懸念が再燃、リスク資産回避の動きが強まり、ドル/円・クロス円は売り優勢となっています。
posted at 21:53 | Comment(0) | 今日の為替相場

先行きに対する悲観後退?

注目指標だったISM製造業景気指数が52.9と予想(53.0、前回53.8)を下回ったことで18日のFOMCで利下げが決定されるのではないかと期待する要因となり、リスク資産からの逃避の動きが後退、クロス円全般にショートカバーが入った模様です。

ISMの結果だけで判断できるものではありませんが、7日の雇用統計が大幅に悪化しているようであれば、利下げ観測はさらに強まると思われます。

また原油価格や貴金属価格の上昇で、インフレ懸念というよりはリスク許容度が増したとの動きにつながり、一連の信用収縮の動きが収まったとの見方となり、先行きに対する悲観的な見方も少なくなってるのかも知れません。
posted at 13:04 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年08月31日

円売り・ドル買い優勢

午前中に伝わった「ブッシュ米大統領が31日にサブプライムローン問題の沈静化を目指して総合的な対策を発表する見通し」との報道を受け、後場の日経平均株価の上げ幅が400円を超えるなど堅調に推移していることで、外為市場でもリスク回避姿勢が和らぎ、円売り・ドル買いが優勢になっています。
posted at 17:07 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年08月21日

パニック的な売りは一服

サブプライムローン問題に端を発した信用収縮懸念も、とりあえずFRBの公定歩合引き下げと言うことで一服となってきているようです。世界的に信用収縮の懸念が出ていましたが、「FRBが何とかしてくれそうだ」ということでパニック的な売りは一服となったものと思います。

サブプライムローン問題も解決したわけでもなく、市場に対する楽観的な見方は少ないのでしょうが、悲観的な見方も少しは薄れてきているようです。市場は引き続き株価動向に左右される展開で、今日の日経平均が続伸となれば円買戻し圧力は一段と落ち着き緩和されそうです。
posted at 08:15 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年08月20日

アナウンスメント効果

週末はFRBが公定歩合を0.5%引き下げたことを好感して若干ですが円安に振れました。まだ疑心暗鬼な相場ですが、「リスク資産からの逃避」も一服となったのでしょうか。

公定歩合の引き下げはFRBの態度を示すものとして実際の影響よりも「アナウンスメント効果」が大きいのではないかと思います。世界的な信用収縮の動きに対し、資金面への不安を打ち消すような動きが好感されているものと思います。

ドル円、クロス円とも下値の堅さが保たれたことから114円を固める値動きとなっています。アジア株式市場が全面的に反発していることを背景に、信用収縮懸念の消失はそう遠くないのでは?との期待が出ている模様。
posted at 17:48 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年08月18日

企業の想定為替レートは

円高が企業業績の懸念材料として浮上してきました。2007年期初時点での主要企業の想定為替レートは115円が平均的でしたが、最近は円安方向に見直す動きもあり、キャノンは120円と3円安に、ソニーも117円と2円安に見直しました。

現在の水準が続くと、為替による業績の上振れ余地もなくなります。日米金利差が縮小傾向にあることから、しばらくは円高傾向が続くのではと企業は警戒感を強めています。

【想定為替レート】(ドル/ユーロ)
トヨタ 115円/150円
ホンダ 117円/155円
キャノン 120円/160円
ソニー 117円/158円
富士フィrム 115円/145円
ブリジストン 118円/155円
posted at 14:48 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年08月17日

米FRB緊急利下げ決定

FRBは中央銀行が金融機関に資金を貸しつける際の基準金利である公定歩合を0.5%引き下げ、5.75%とすることを発表しました。期間は定めず、FRBが市場の流動性が改善したと判断するまでの措置とのことです。

公定歩合を0.5%引き下げ5.75%に
公定歩合引き下げは一時的な変更
FF金利は引き続き5.25%に据え置く
変更処置は市場の流動性が改善したと判断できるまで続ける


成長への下方リスクが大幅に高まっている
経済への悪影響を阻止するため必要なら行動する用意
金融状況が悪化、経済成長を抑制する可能性
指標は米経済が引き続き緩やかなペースで拡大してることを示唆
posted at 22:32 | Comment(0) | 今日の為替相場

20万アクセスお礼

200000.gif20万アクセスありがとうございます!当ブログはFXが個人投資家に流行し始めた2006年5月に開設、1年3ヵ月が経ちました(10万アクセスは8ヵ月)。これからも、役に立つ、楽しめるブログを心がけます。応援をよろしくお願いいたします。
posted at 15:43 | Comment(0) | 今日の為替相場

株安・円高動揺収まらず

米国サブプライムローン問題をきっかけにした世界の市場の動揺が収まりません。先行き不透明感からリスクの高い取引を縮小、日米欧で市場の動揺が連鎖する要因になっています。

火種がどこで破裂するか分からない、疑心暗鬼に陥ったヘッジファンドが損失の穴埋めに日本株売りに走り、リスクを負えなくなった投資家は、円キャリー取引をやめざるを得なくなり、借りていた円を返すための買戻しが増え、NY時間から対円通貨を中心に怒涛の円買いで、ドル円は112円割れ目前まで下落、クロス円も軒並み急落です。

今日も株価動向に強く左右される展開が続くことも予想され、日経平均続落ならば、ドル円・クロス円の一段の下落は避けられそうになく、ドル円は110円割れ、ユーロ円は150円割れ、ポンド円は220円割れの可能性もありそうです
posted at 07:32 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年08月15日

円買いの動きが再燃

昨日はサブプライム問題に端を発した信用収縮懸念から、欧州株は反落して終了、加えてNYダウが200ドル超まで下げ幅を拡大したことから、リスク回避による円買いの動きが再燃しました。

前日にいったん止まったかとも思われたのですが、PPI(生産者物価指数)が落ち着きを示し、インフレ懸念の緩和を示したものの、サブプライム問題の個人消費への影響が懸念されてドル売りを誘ったものと思います。
posted at 09:16 | Comment(0) | 今日の為替相場

2007年08月14日

日米欧3日で42兆円供給

日米欧の中央銀行の3日で42兆円の資金供給で信用収縮の懸念が薄れたことや、朝方発表になった米小売売上高が予想を上回ったことなどからドル円・クロス円ともに反発しましたが、依然として信用収縮への懸念は根強く、上値の重い展開となっています。

信用収縮懸念は一服とはなったものの依然としてサブプライム問題が解決したわけでもなく、投資ファンドなど実態の把握し難い主体が絡んでいるだけに根は深いのかもしれませんが、住宅関連の指標が好転しているようであればドル円の上昇をサポートしてくるのではないかと思われます。

2007年08月13日

日米欧・資金供給に柔軟

サブプライムローン問題への不安が続く中、日米欧の中央銀行は市場の動向を見極めながら、今後の政策対応を柔軟に判断する方針の模様。

日銀は13日午前、短期金融市場に6000億円を供給する公開市場操作(オペ)を実施しました。サブプライムローン問題で欧米市場を中心に動揺が続き、日本でも金利が上昇しやすくなっているためです。

ただ、今回の日銀オペは通常の水準ですが、米国は、1日当たり300億―800億ドルの資金を供給した2001年9月の米同時テロ直後に近い緊急措置をとっていて、しばらくは厳戒態勢を維持する意向です。

日米欧とも、当面は潤沢な資金供給を続け、金融不安の沈静化に全力を挙げる構えです。

2007年08月11日

欧米・連日の大量資金供給

ECBは10日、サブプライムローンの問題で生じた金融市場の不安を沈静化させるため、610億5000万ユーロ(約9兆8000億円)の資金を短期金融市場に供給、9日に続く2日連続の大規模な流動性供給です。この2日間の資金供給額は合計で1558億ユーロ超、25兆円近くに達しました。

FRBも10日「必要に応じて米金融市場に流動性を供給する」との緊急声明を発表、3回にわたって合計380億ドル(約4兆5000億円)の資金を供給しました。前日には、240億ドルの資金供給を実施していましたが、表向きは通常の金融調節との位置づけでした。これに対し10日は午前に190億ドルと160億ドル、さらに午後には30億ドルの追加資金を供給、3回の資金供給とともに、緊急声明で信用不安の沈静化に全力を挙げる姿勢を鮮明にしました。

2007年08月10日

ECB/FRBが緊急資金供給

ECBが9日、信用力の低いサブプライムローン問題を発端とする信用不安の発生・拡大を防ぐため、欧州金融市場に948億ユーロ(約15兆4000億円)の緊急資金を供給しました。

FRBも同日、ニューヨーク連銀を通じ米金融市場に総額240億ドル(約2兆8000億円)の資金を供給し、通常の市場操作の一環として市場の安定に協力したとみられます。

ECBがこれだけの規模で資金供給するのは、2001年9月の米同時テロで金融市場が世界的に動揺して以来。FRBは米同時テロ後のような緊急措置とは考えてなく、通常の市場操作の一環と位置付けています。

2007年08月02日

戻りを試すor再び調整

ISM製造業景気指数が予想を下回り、雇用指標が軟調、住宅関連の指標は予想を上回るなど、強弱まちまちとなった経済指標の発表を受けて、方向感のない展開となりました。株安を背景としたリスク解消による円買い警戒感がくすぶってる感じです。

サブプライム問題からの「信用収縮」「リスク資産からの逃避」は引続き懸念されます。ドル円クロス円が更に戻りを試すのか、再び調整となるか注目です。

2007年07月18日

レンジ相場の様相

PPIコアが予想を上回りインフレ懸念は強まったものの、一連の好調な米経済指標をうけてドル円が上昇、その他クロス円も上値を拡大する展開となりました。ポンド円は250円台へのせています。

ダウが1万4000ドルを突破した事も円売りに勢いを与えていますが、今日・明日と予定されているバーナンキFRB議長の議会証言を控えて様子見感強く、市場はレンジ相場の様相を呈してきています。

2007年07月17日

ポンドvsユーロの明暗

英・消費者物価指数が市場予想を上回りインフレ圧力が高まったことから、年内利上げ観測が台頭、マーケットはポンド買いへと反応しました。ポンドドルは2.04台乗せし、ポンド円も一時249円台乗せ、250円が視界入りしてきました。

一方、独・欧ZEW景況感が総合的に弱含んだことでユーロは軟調地合いとなり、ユーロドルは1.3760付近、ユーロ円は167.70円まで下押し本日安値を更新ました。

2007年07月13日

VISTA&ネクスト11

BRICsに続く新興国として“VISTA”なる国々が注目を集めています。ベトナム(V)、インドネシア(I)、南アフリカ(S)、トルコ(T)、アルゼンチン(A)の5カ国です。

その他、“ネクスト11”、韓国、メキシコ、トルコ、インドネシア、イラン、パキスタン、ナイジェリア、フィリピン、エジプト、バングラディシュ、ベトナムの11ヵ国(経済規模の順)もあります。ネクスト11は玉石混淆となっており、各国の中長期的な成長力についてはよく見極めていく必要があります。

新興国投信は、現状ではアジア・オセアニアを含めた商品が主力で、VISTAはまだまだこれからの商品ですが、FXでも南アランドが人気、トルコリラ、メキシコペソも注目を集めているのもうなずけます。

2007年07月12日

悲観的な見方もまだ少ない

ユーロ・ポンド・スイスは対円で直近の高値付近まで値を戻していますが、ドルは対ユーロ・ポンドで下落し、買い安心感は広がってないようです。ただ、引き続きサブプライム問題やインフレ懸念はくすぶり、一時期の楽観的な見方は徐々に慎重な見方に変わってきているのでしょうが、足元の景況感が悪くないだけに逆に悲観的な見方もまだ少ないようです。

今日の注目指標は日銀金融政策決定会合です。政策金利は据え置き予想ですが、早ければ来月の利上げに向けて福井総裁がどのような発言をするかに注目が集まります。

2007年07月06日

金利上昇に拍車

休日明けの米国市場はダウ平均は小幅安となりナスダック指数は堅調と、まちまちの展開となりました。BOEの利上げの影響もあって金利が上昇し、また、ISM非製造業景気指数が予想を上回ったことで、今夜の米雇用統計も強い内容となるという思惑に加え、原油価格が堅調なことも金利上昇に拍車をかける格好となり、ドル買い優勢の展開です。

景況感もインフレ懸念も金利動向も方向感のない格好となり、市場全体として動きが出ているような感じでもありません。引き続き景況感は悪くないのだけれど金利動向が気になる状況と言えそうです。マーケットは総じて株価の動向に左右される相場展開となっっています。

2007年07月04日

雇用統計を見るまでは

独立記念日前日ということで米株式、債券市場とも短縮取引となりましたが、為替市場も動意に乏しい展開となりました。経済指標も中古住宅販売留保や製造業受注が発表になったのですが、「思ったほど悪くはない」といったような状況で景況感は悪くなく、インフレ懸念も薄らいでいるといった感じです。

引き続き米国経済は「うまく回っている」状況で、そんな中、NY原油先物が71ドル中盤と10ヶ月ぶりの高値を更新し、今後の潜在的なドル売り材料として再び注目が高まってきています。とりあえず独立記念日の休暇が終わり、雇用統計の数字を見るまでは悲観的になってもしょうがないといったところでしょうか。

2007年06月27日

利上げ、利下げはない

昨日の米国市場は、午前中に発表になった新築住宅着工件数や消費者信頼感指数が予想を下回りましたが、債券市場が軟調(金利は上昇)となったことで、ドルストレートでドル買い戻しの動きとなりました。その後米株式が上げ幅を縮小し、下げに転じたことを受けドル円は123円前半で軟調推移です。

足元の景況感も住宅関連からかげりが見え、原油価格の下落も素直な反応とならないようです。金利に敏感になっているうちに、景況感にも自信がなくなってきたような感じです。今夜から開催されるFOMCでの利上げ、利下げはないと見ているのでしょうが、FRBの態度を見極めたいと言う動きのようです。

2007年06月22日

金利上昇の影響を懸念

債券市場も落ち着き、原油価格も下落となりインフレに対する懸念は緩和されていたのですが、フィラデルフィア連銀指数が18.0(前回4.2)と市場予想7.0を上回ったことからドル買い圧力が強まり、ドル円が一時急上昇する場面が見受けられたものの、反応は限定的でした。

失業保険申請件数も予想31.1万件を上回る32.4万件など強弱入り混じる材料となり、上値の重い展開です。ここへ来て金利上昇の影響を懸念する向きも増えているようです。

ただ、景気が大きく悪化するような兆しはまだ見えず、景気のよさを示す指標などが発表になると、確信の持てない中で押し目買いが入るといった状況となっています。

2007年06月21日

景況感vs金利高の鬩ぎ合い

主要な経済指標の発表がないなかで、米債利回りが上昇したことからドルストレートでのドル買い意欲が強まりましたが、米株価下落による円買戻しの影響で頭を抑えられ、上値の重い展開となりました。

ここまでの相場の上昇で高値警戒感が出ているとの指摘もあり、足元の景況感の良さを好感する動きと金利高の影響、特にサブプライム問題などへの影響を危惧する動きがせめぎ合っているような感じです。

2007年06月19日

ユーロに資金流入加速

ユーロへの資金流入が加速しています。対円で連日の最高値を更新し、対ドルでも急反発しています。

・先週末の福井総裁の会見で、日本の早期利上げ観測はやや後退
・先週末の米CPIが予想を下回るなど経済指標もまちまちで、米国の利上げも確信できず
・ユーロはECB声明で利上げ継続姿勢を明確にし、追加利上げはほぼ規定路線

と日米欧の利上げ姿勢の違いで、ユーロ買いへの安心感が強まっているためです。

2007年06月13日

金利上昇に敏感な相場

金利の上昇に対して敏感な相場が続いています。昨日の米国市場は再び下値を試す展開となりました。原油価格や貴金属価格は落ち着いていたのですが、長期金利は引続き上昇、上値の目処と見られていた水準(5.2%)を上回ったことで軟調となりました。

今週後半にかけて消費者物価指数など重要な経済指標の発表もあり、波乱が予想されます。グリーンスパン元FRB議長の「米国債の売却は心配していない」とのコメントが伝わり、持ち直す場面もあったのですが、先行きへの不安も強いようです。

2007年06月09日

円と中国株との連動性

中国株に翻弄されてきた為替相場ですが、2月以降、中国株の下落は世界的な株安不安を連想させ、投機筋のリスク回避のキャリー解消の円買いを誘っていましたが、このところ連動性が薄れてきています。中国の株安が世界的な株安にはつながりにくいとの認識が市場に浸透してきたためです。

グリーンスパン前FRB議長が5/23に「中国株はいずれ劇的な収縮が起きる」と過熱感に警鐘を鳴らしていたこともあり、市場の関心はなお高いですが、もともと中国株は、ごく一部を除いて外国人は買えず、投資家のほとんどは中国内の個人で、国際的なマネーの移動とは無縁で他市場から隔離しています。

2007年06月08日

株価暴落で下落基調へ?

欧米株価に続いて日経平均の暴落で円買いが強まり、ドル円121円割れ、ユーロ円162円割れ、ポンド円238円割れです。このままずるずると下落基調へ移行する可能性も出てきました。

2007年06月06日

基調はまだ強含み?

バーナンキFRB議長が講演の中で、引き続きインフレに対する警戒と住宅市場に対する懸念を示したことでドル円は安値更新です。FRBの景気に対する慎重な見方とインフレ懸念が再燃、一斉に利益を確保する動きが出たものと思います。

その後発表になったISM非製造業景況指数が予想を大きく上回ったことで、早期利下げ観測が後退、長期金利が上昇し、ドルストレートでドル買い戻しの動きとなりました。しかし強い米指標によるドル買戻しの勢いは続かず、戻りの鈍さを嫌気したドル円は再び121.20銭近辺まで下押しです。

目先的な調整なのか、中長期的な調整の始まりなのかの判断は難しいと思いますが、基調はまだ強含みと見ていいのではないかと思います。ただ、引き続き経済指標や原油価格動向に敏感に反応することになりそうです。

2007年06月05日

2月連鎖株安の再現は

4日の上海株は、中国政府のキャピタルゲイン課税など追加抑制策の警戒感で8.3%の下落です。下落率は2/27の世界連鎖株安の8.8%に次ぐ高さで、下げ幅も過去最大でした。ただ、他のアジア株は軒並み上昇、米国・英国は小幅安だったので、2月連鎖株安の再現は見られません。

2007年06月04日

市場センチメントも楽観的

週末のドルは堅調となりました。朝方から雇用統計を始め経済指標の発表が相次ぎましたが、非農業部門の雇用者が予想を上回って増加したことやPCEデフレーターが予想を下回ったことなど景況感は良く、物価は落ち着いているとされる経済指標の発表が多く、好感して堅調となりました。

さすがに週末ということや目先的な過熱感もあって上値も限定的となりましたが、基調は強含みとなっています。

2007年05月31日

ポストBRICsはVISTA

BRICsに続く新興国として“VISTA”なる国々が注目を集めています。ベトナム(V)、インドネシア(I)、南アフリカ(S)、トルコ(T)、アルゼンチン(A)の5カ国です。

新興国投信は、現状ではアジア・オセアニアを含めた商品が主力で、VISTAはまだまだこれからの商品ですが、FXでも南アランドが人気、トルコリラも注目を集めているのもうなずけます。

投資信託協会の「通貨(国)別資産運用状況」によると、07年4月末のBRICsの純資産はブラジル1,186億円、ロシア21億円、インド4,499億円、中国1,477億円に対し、VISTAの純資産はベトナム?億円、インドネシア476億円、南アフリカ941億円、トルコも388億円、アルゼンチン53億円で、BRICsの一角であるロシアを上回っています。

(参考)
純資産の多いアジア・オセアニア国は、オーストラリアが3兆4,046億円。次いで、香港1兆3,291億円、ニュージーランド6,028億円、シンガポール3,337億円、台湾2,470億円、マレーシア925億円、タイ459億円、フィリピン159億円と続いています。

2007年05月30日

市場の警戒感は強い

中国が株式市場の過熱感抑制のために、取引に係る印紙税を3倍(0.1%→0.3%)にすると本日早朝発表したことが材料視され、本日の中国株は前日比5.7%超の急落で寄り付きました。

リスク回避の円キャリー解消懸念から一時円買いが先行しましたが、中国株が下げ幅を2%台に縮小させたことで再度円は売られ、往って来いの展開となりました。

今朝の日経一面によると、中国の証券口座数が1億(中国人口の7%、内99%超が個人口座、昨年1年間の増加数2500万口座)を突破、日本の証券口座数は1200万口座ですので、その超過熱振りが窺えます。

グリーンスパン前FRB議長が23日に「中国株はいずれ劇的な収縮が起きる」と過熱感に警鐘を鳴らしていただけに、市場の警戒感は強かったものと思われます。

2007年05月29日

米利下げ観測後退

・耐久財受注の好結果
・米株式相場の堅調な推移

で早期利上げ観測が薄らいでいます。ヘッジファンドなどが対ユーロや対円でドルの買い戻しを進めている模様です。

背景には、

・将来の米政策金利を予想して取引するフェデラルファンド(FF)金利先物は、月初には年内に1回の利下げをほぼ織込んでいたのが、最近では年内の利下げ予測は5割程度に低下
・米長期金利も4.8%台後半に上昇

がある模様です。

2007年05月22日

地合いはまだ強め?

昨日は、米指標の発表もなく材料に乏しいことから全般に小動きでした。ドル円は高値抵抗帯であった121.50円を突破したことから一時121.60円近辺まで上昇しましたが、今日からの第2回米中戦略的経済対話を控え積極的にポジションを傾け難い模様です。

相対的にドルの地合いが一段の強まりを見せる可能性もありそうですが、クロス円は上値の重い展開となっています。対ドルでの回復が強まれば、再び上値を試す展開となるかもしれません。カギを握るのはドルの動向となりそうです。

2007年05月21日

ユーロ円史上最高値を更新

人民元利上げを受けた上海株式市場が下落スタートとなったことで、クロス円は一時軟調となりましたが、株価の下げ止まりもあってその後は買い戻しが優勢です。

人民元ニュースで一旦ポジション調整が進み、動き易くなっていることや、G-8で円安の論議がなされなかったため、ユーロ円が再び163.90円と史上最高値を更新、高値更新で更なる上値を目指すのか、高値警戒感で上げ渋るのかが焦点です。

2007年05月18日

人民元利上げで円連れ高

ポールソン米財務長官の人民元改革に向けた最近の発言や、対中経済制裁法案可決の公算、22−24日の米中戦略経済対話(ワシントン)を控え、中国人民銀行が何の前触れもなく

・人民元の対ドルでの1日の変動幅(現行±0.3%)を0.5%に拡大
・貸出(0.18%)、預金(0.27%)金利の引き上げ(今年2回目)

を決定しました。人民元高→アジア通貨高で円が急速に買われています。

フレアティー・カナダ財務相が、G8で「中国人民元が議題となるだろう」と為替政策に関する文言が盛り込まれる可能性があることに言及しましたが結果はどうなるのでしょう。

2007年05月15日

為替レート一段と低下

円の総合的な価値が一段と低下しています。日銀によると4月の実質実効為替レート(※)は、96.9と前月より2.4ポイント低下し、1985年9月のプラザ合意以来の低水準となりました。円は低金利を背景に、ドルやユーロなど主要通貨に対して売られやすい状況が続いています。

(※)日本の主要貿易相手国との為替レートを貿易額に応じて加重平均し、物価水準も加味して算出。数値が低いほど円の価値が低下していることを示し、輸出環境は好転しているとされる

2007年05月14日

円安の流れが続くのか注目

今週は、日米で重要イベントが目白押しです。スタートの動きはやや円安でしたが、現在は落ち着いた動きとなっています。注目材料が多く、週末にG8を控えており、思惑により大きく動くことも考えられ、円安の流れが今週も続くのか注目です。

週末の米国市場は朝方発表されたPPIが予想を下回ったことや4月の小売売上高は予想を下回ったものの、3月の小売売上高が上昇修正されたことから、スタグフレーションへの懸念が薄れ、ドル買いとなりました。

景況感にかげりも見られるものの、インフレ懸念が薄らいだことで、スタグフレーション懸念さえなくなれば買いが入るようです。

2007年05月11日

下落基調移行へのサイン

昨日の動きを蒸し返したような展開で、欧州通貨・オセアニア通貨は対円・対ドルで値を下げ始めています。市場センチメントは、「円買い・ドル買い」になりました。

・中国人民銀による利上げ観測の浮上で円買いが加速
・米株式下落を背景に円キャリー解消を思わせる円買い戻し
・欧州株安をきっかけに欧州通貨もやや売りが優勢
・ユーロは6月利上げ後は年内据え置きとの見方でユーロ売り
・英ポンドは0.50%の利上げを裏切った形での失望売り
・豪ドル円は100円到達後の利益確定の売りが下落を後押し
・金価格下落(=ドル買い)で南アランドが軟調に

昨日の流れでは蚊帳の外であったドル円は、円買いが影響し上値が重たくなっています。ユーロ円の下値ポイントは161.26円(4/25安値)、ポンド円では236.00円(4/24安値)。これらを割り込むと下落基調移行へのサインが点灯、マーケット全体の円買いのきっかけとなる可能性があります。

2007年05月10日

センチメントは悪くない?

今朝のFOMCと今夜のECBの政策イベントの谷間で、積極的な売り買いが手控えられ様子見状態で、ドル円は120円台前半で膠着です。

原油価格や貴金属価格が落ち着いていることから、スタグフレーションの懸念はなく(インフレ懸念が強くても景況感が悪くても同時に起こらなければ)堅調な地合いは続きそうです。目先的な過熱感もあるのですが、センチメントは悪くないようです。

そんな中、豪雇用統計の予想を上回る好結果を受け、市場は素直に豪ドル買いで反応し、豪ドル円は大台を控えての高値圏での揉み合いの後、4月17日以来の100円台乗せとなりました。

・豪4月新規雇用者数:+4.96万人(予想:+1.25万人、前回:+1.05万人)
・豪4月失業率:4.4%(予想:4.5%、前回:4.5%)

2007年05月09日

ユーロに根強い先高感

今夜のFOMCを控えて、対主要通貨で調整色の強い動きが続いています。特にユーロ円は昨日安値付近へと下落、戻りも鈍く対円通貨全般の上値を重くしています。

ただ、「利上げを続けるECB」、「なかなか利上げできない日銀」、「利下げも視野に入ってきたFRB」の構図が鮮明となる中でユーロに根強い先高感があり、高値警戒感から売りも出やすくなってますが、ユーロ買いにも安心感もあり、金利差拡大の思惑がユーロへの資金流入を誘っているようです。夏場には168円台との予測もでてきました。

・欧州経済の好調さでECBの利上げ継続観測が強まる、6月は確実、年内にもう1度
・米国では雇用統計の鈍化で、夏にも利下げに転じるとの観測の強まり
・日本では2月以降CPIが前年比マイナスに転じ、利上げが当面ないとの見方が広がる

2007年05月08日

利上げ懸念vs利下げ期待

週明けの市場は、LDN市場が休場の中、全体的に狭い値幅での取引となりました。欧米各国の政策金利発表を控え様子見ムードが強まる一方、FOMCを控え利上げに対する懸念も、利下げに対する期待もなく、ドル円は上下のオーダーに挟まれ、119.90円付近でややドル売り優勢の状態で膠着状態です。

2007年05月07日

上下に振れやすい週か

週末の注目イベント米雇用統計は、全体的に予想を下回る結果で、マーケットは素直にドル売りへと反応しました。GW明けもこの流れでスタートです。次なる材料を模索する展開となりそうです。

今週は、米・ユーロ・英で金融政策の発表が相続き、上下に振れやすい週となりそうです。新たな材料が出なければ、再度キャリートレードに焦点が集まりやすい状況となるとの見方もあります。

2007年05月03日

ポジション調整が出る?

先ほど発表されたユーロ圏生産者物価指数+0.3%も予想(+0.3%)どおりの結果で、ドル円は120.10−20の間で売り買いが交錯状態、全般に小動きで影響はありませんでした。

クロス円も、ユーロ円が史上最高値(163.58円)を更新したのが目についた位で、ユーロ円を筆頭に底堅さを示しています。明日の米雇用統計に向けてのポジション調整が出るとすれば、米ISM非製造業指数発表前後からとみられています。

GWは円高相場なのに円安

米・ISM製造業景況指数(54.7、予想 51.0、前回 50.9)、製造業受注(+3.1%、予想 +2.2%、前回 +1.0%)などここ数日の米指標の好結果を受けて、円売り・ドル買いが先行、ドル円は約2ヶ月ぶりの120円突破を達成しました。

例年GW週は円高相場となり、去年は米雇用統計が弱めの結果となったことや、中国人民元の追加切り上げ観測などから、円買いが加速した経緯があります。

週末の雇用統計を控え、ポジション調整の展開がジワジワ続いている模様で、ドル買いが今後も続くかは不透明です。ただ、120円割れでは買い意欲も強く下値は限定的になっています。120円がサポートラインとなるのか、今夜のISM非製造業景況指数に注目です。

2007年05月02日

キャリー解消の動き

メルツ・スイス財務相が『スイス政府、中銀共々キャリートレードのリスクを認識している』と発言したことから、キャリー解消(スイスフラン&円の買い戻し)の動きが見られれ、対円・対スイス通貨がともに下落する展開。

この影響を受けドル円は一時119.10を割り込むものの、米・ISMが54.7と市場予想51.0を大幅に上回ったことから下落以前の水準まで反発、その後119.80手前まで上昇し昨日高値を更新しました。

ユーロドルは1.36を割り込み昨日安値更新。またキャリー解消の動きからユーロ円をはじめとするクロス円は全般的に反発が鈍く弱含みな展開となっています。

2007年05月01日

「1強2弱」の構図が鮮明

ユーロ高・円安・ドル安という「1強2弱」の構図が鮮明になっています。背景にあるのは日米欧の先行きの金利見通しの違いで、ユーロに資金が集まっています。

・ユーロは6月にも金利を引き上げるとの観測が強く、その後も利上げが続く
・米国は景気減速懸念が強まり金利を当面据え置くとの見方が大勢、年内の利下げ観測も根強い
・日本は景況感は安定しているもののCPIがマイナスに転じ、利上げペースが速まる兆しはない

ということで、ユーロが対ドル、対円での最高値更新という状況を見れば歴然です。ユーロがドルに並ぶ存在感を示し始めたことや、世界の外貨準備に占める比率で円が英ポンドに逆転され4位に転落するなど、円の相対的な地位低下が目立ちます。

「1強2弱」の構図は、短期的には円安が企業収益にプラスとなり日本にとっては居心地の良い環境ですが、長期的には円の地盤沈下を意味し、通貨としての存在感が小さくなって、他通貨の影響を受けやすくなる等のリスクが高まることとなります。

2007年04月30日

注目!今年のGW相場は

例年GW週の相場動向はかなり注目されています。去年は米雇用統計が弱めの結果となったことや、中国人民元の追加切り上げ観測などから、円買いが加速した経緯があります。

今年も、29日中国人民銀行は政策金利を0.5%引き上げました。今年に入ってから4回目の引き上げとなり、つれ高で週明けは円買いスタートとなりました。5日の米雇用統計を控え、積極的な取引を手控える参加者が多いなか、

・ユーロやNYダウの連日の上昇に対する警戒感(株下落でドル売り)
・円キャリートレード再開によるポジションの偏りの調整(円買い戻し)

が想定され、円売りを主導してきたヘッジファンドなど投機筋が円を買い戻す動きには要注意です。

2007年04月27日

日本の出遅れが鮮明

世界的な株高基調が続いています。世界連鎖株安以降の上昇率(2/27、4/25の終値比)は

・中国(上海):35%
・ドイツ(DAX):7.7%、フランス(CAC40):6.4%
・米国(ダウ平均):7.2%、(NASDAQ):5.8%
・日本(日経平均):▲4.9%

と米国、ユーロ圏などとの国際比較では日本株の出遅れが鮮明です。

円買いのきっかけになるか

円売りを主導してきたヘッジファンドなど投機筋は、円買いのきっかけを探しているとされます。

・今日27日の日銀展望レポートは大きなサプライズはないとみられていますが、日銀がゆっくりと利上げしていく姿勢である限り「円買い材料にはなっても円売り材料にはならない」

・19日に発表された中国1−3期GDPが11.1%増、3月CPIも3.3%増と2年ぶりに3%を超え「中国の利上げは時間の問題」とみられ、人民元高が円のつれ高(円買い材料)になる

など、日本・中国が同時に利上げ姿勢を示せば、投機筋が円を買い戻す格好の材料になりえます。利上げで中国株が大幅に下げれば、2月末のチャイナショック時のような、大規模な円キャリートレードの巻き戻しが再び起きる可能性もありえます。

2007年04月26日

海外マネーの米市場流入

25日のNY株が13,089.89ドルと初めて13,000ドルを突破しました。大幅減速が見込まれた1−3月期の企業業績が予想以上の好調さを示す内容となり、米景気の軟着陸期待が一段と高まったためです。

ドルの実効為替レート(※)が、対主要通貨で78.99と過去最低水準に下がってることから、海外マネーの米市場への流入が起きているようです。

世界経済が順調に拡大するなかで、米経済だけが調整局面にあるという状態が、歴史的なドル安の要因となっていて、週末のGDPで利下げ期待が吹き飛べば、米経済を支えるドル安も一変しかねません。

※円、ユーロ、ポンドなど主要な他通過間の為替レートを貿易量に応じて加重平均して指数化したもの。(1973年=100)

2007年04月25日

円高に備える動き?

27日の日銀展望レポート公表を控え、利上げ前倒しを巡る憶測から円高進行を警戒した動きが増えています。このところ

・米格付け会社が日本国債を格上げ
・利上げ時期が5月に前倒しになるとの噂
・連休を前に急な値動きに備えておきたい

など、ちょっとした円高材料に反応する場面がありました。

展望レポートで日銀が市場予想よりも景気や物価について強気なら、予想より早い利上げの可能性がでてきます。日米金利差による円売り地合が変わったとの見方は少ないですが、円を売りにくいムードがじわりと広がっています。

2007年04月24日

日本国債格上げ

米格付け会社S&Pは23日、日本国債の格付けを「AA-」から「AA」に一段階格上げ、アウトルックは「安定的」と発表しました。財政政策や金融政策正常化などが評価されたようです。一方、S&Pとならぶムーディーズは上から6番目の「A2」のままです。

格上げは国債金利の上昇を抑える要因になります。直後はやや円買いが先行し118.50円を下抜けました。NYタイムでも反応薄、欧州タイムからの円安の流れを引き継いでの取引となっています。

【各国格付け】
・AAA:米国、英国、ドイツ、フランス、カナダ
・AA+:ベルギー
・AA :日本、スロベニア
・AA-:カタール、ポルトガル
・A+ :イタリア、クエート
・A :ギリシャ、スロバキア、中国、バーレン
・A- :バハマ、ラトビア

格付け詳細はこちら

2007年04月21日

米株価下落vsドル売り加速

米景気の急減速懸念がくすぶり、円キャリーの動きが再び強まっていますが、ドルを積極的に買い進められない分、ユーロ高が勢いを増しています。昨夜は、ドル円は118円台後半まで円安・ドル高が進みましたが、その後は円売り・ドル買いが続きませんでした。

むしろ、ドルはユーロに対し一時1.36ドル台前半まで売られ、ユーロ導入以来の最安値(1.3670)に迫りました。対英ポンドでも2ドル台に下落し、26年ぶりの安値圏での取引です。対豪ドルなど円以外の主要通貨でも下落傾向が続いています。

当面の焦点は27日の米GDPですが、ドル買いが続かない原因は

・サブプライムローンなど住宅投資の調整がいまだ継続
・設備投資の先行指標の減速感が目立ち始めている
・米景気の先行き不安を背景に債券の金利差が縮小傾向にある

などですが、ドルが軟調に推移しているにもかかわらず、米国株の好調さがドル買いを支えています。米株価下落でドルが大幅に売られる可能性も否定できません。

2007年04月20日

株安→円高の連想

昨日は予想以上に大きく下げました。そして戻りも早かった。きっかけは日本株、中国株の急落です。2−3月の世界連鎖株安の不安が働き、株安→円高の連想で、キャリー解消から円買い・ドル売りのきっかけになったようです。また、

・中国のGDP、物価上昇率の高さから早期利上げの思惑
・G7後の円安基調容認のなか来月に日銀が早期利上げを巡る噂

なども影響したようです。ただ、2月のように円急騰には発展しないとの見方も強く、米国株が2日連続で最高値更新の好調さもあって戻りも早かったです。

2007年04月19日

主要国の利上げ予測

日本:2月消費者物価が10ヵ月ぶりにマイナスに転落。利上げは当分先で、参院選後の8−9月か

米国:物価指標は強めながら米経済の先行き不透明感から良くて横ばい。物価の落着きが確認されれば利下げ観測へつながることも

ユーロ:ユーロ圏経済は健全に上昇、トリシェECB総裁コメントで6月の利上げが既定路線

英国:英経済は引き続き強く成長、好調な経済指標で利上げ期待が高まり、5月の追加利上げが視野に

豪州:雇用、貿易収支、消費指標の強い結果から一段の引上げの可能性は否定できず、5月利上げは半々か、4/24のCPIの結果次第

NZ:4月利上げ可能性は低いが、住宅セクターなどの好結果で4/26会合での利上げ期待を再燃させるには十分、利上げは6月か

ポンドに資金流入か

英ポンドが2.0133ドルと1981年6月以来の26年ぶりの高値を付けました。ユーロもECBの利上げをにらみ買われていますが、足元ではポンドに資金が流入してる模様です。

・英CPIが3.1%とBOEのインフレ目標上限である3.0%を上回った
・2月平均賃金の上昇率が5.1%と2005年5月以来の高水準となった

ため5月の追加利上げ観測が強まり、ヘッジファンドなどのポンド買いが先行してるためです。

2007年04月18日

ポンド対ドルの動きに注目

今夜の英BOE議事録に注目です。前回は8対1で据え置きが決まりましたが、反対の1名が利下げ支持だったため、一瞬ポンド売り優勢となり急落しましたが、その後すぐにV字回復となりました。

今回はどのような形で据え置きが決定されたのかが気になります。ポンドドルは1992/9以来15年ぶりに2.0000を超えてきています。しばらくはポンド対ドルの動きから目を離せません。

2007年04月17日

円安とまらず、だが・・

G7会議が円安を追認したこと、円キャリートレードが再燃してきたとの見方の台頭で、対円はユーロ円が162円台の最高値更新をはじめとして主要通貨で大幅に上昇しました。

・金利差を背景に円は売られやすい
・米経済の先行き不透明感からドルも弱い

ため、ドル円の上げ幅は限定的で120円台目前で押し戻される展開です。今後は、ヘッジファンドの動きに注視です。

・円安警戒で円の買い戻しに転じる ⇒ ドル円120.50円が上限か?
・円キャリーが増えるとの思惑で円売り圧力が加わり円安に拍車がかかる ⇒ 年初来高値の122円越え後123円まで売られる?

2007年04月11日

インフレvs景気悪化懸念

国内2月機械受注が-5.2%と市場予測-0.4%を下回る結果であったことを受け、円は売り優勢になるものの、119.30の壁に抑えられると失速119.00を割込みました。ポンド円は、英財務省が推進する税制優遇に伴うニュースが好感され再び235台に戻すなど、インフレ懸念と景気悪化懸念の凌ぎあいの状況です。

インフレ懸念や景気悪化懸念への不安は薄れているようですが、景況感を示す経済指標の発表がなく足元の景況感が確認できないときに原油価格が上昇するなど、インフレに対する懸念が出るとすぐスタグフレーションへの不安が募り、積極的に買い上がり難くなるようです。

2007年04月09日

景況感の良さを好感?

週末の米国市場はイースター休暇で休場となりましたが、雇用統計が発表になり、非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことで足元の景況感、特に個人消費の減速に対する懸念が薄れたのではないかと思います。

賃金コストの上昇などインフレ懸念はあるものの連休明けは景況感の良さを素直に好感することになるのではと思います。

ただ、今日は日本、米国市場以外はイースターマンデー休暇のため参加者の低下と、週末にG7が控えていることなどから、一進一退の展開ではないでしょうか。

2007年04月07日

利下げゼロvs6月可能性

米地区連銀総裁のインフレ警戒発言が相次ぎ、市場が景気減速のリスクだけに注目し、早期利下げを織り込むのを強く牽制していましたが、今回の雇用統計を受け、5月FOMCでの利下げ観測をゼロへ、次々回6月での可能性を10%ほどまで引下げた模様です。週明けの相場は3月の雇用統計の発表の影響から始まりそうです。

【地区連銀総裁のインフレ警戒発言】
・ダラス連銀フィッシャー総裁(4/4)
 「いまの物価上昇率は高すぎる」
・セントルイス連銀プール総裁(4/3)
 「インフレがこの水準で推移するなら利下げは難しい選択」
・フィラデルフィア連銀プロッサー総裁(3/30)
 「経済の諸問題を理解するには時間が必要」
・リッチモンド連銀ラッカー総裁(3/30)
 「インフレが引き続き主要なリスク」
・ミネアポリス連銀スターン総裁(3/30)
 「米経済見通しは良好」
・クリーブランド連銀ピアナルト総裁(3/27)
 「インフレに対するリスク、依然見られる」
・シカゴ連銀のモスコー総裁(3/27)
 「インフレ高進、依然として景気減速より大きなリスク」

2007年04月06日

円キャリーじわり復活

2月末からの連鎖株安を受け、いったん取引を縮小する動きが強まったものの、3月後半から世界的に株価が回復し、ヘッジファンドなどが再びリスク資産への投資意欲を強めてるようです。

豪ドル、NZドル、英ポンドなどの高金利通貨が上昇し、連鎖株安前とほぼ同程度の円安水準になりました。特に豪ドルは97円台半ばまで上昇、約10年ぶりの高値をつけました。株価の回復でヘッジファンドなどがリスクを取りやすい環境が戻ってきたといえそうです。

2007年04月05日

相場がぶれる可能性?

昨夜発表になった3月ADP全国雇用者数の伸びは+10.6万と芳しくなく(予想 +13.5万)、週末の雇用統計の下ぶれが懸念されましたが特に材料視されませんでした。

その後、3月ISM非製造業景況指数52.4(予想 55.0)、2月製造業受注指数が+1.0%(予想 +2.0%)と予想を下回る結果だったことで、ドル円が下落する所もありましたが、原油価格が下落したことで大きく材料視されることもなく、市場での強気のセンチメントには変化がありませんでした。

景気は失速しているも、インフレ圧力は今だ根強いとするFRBの見通しを裏付ける結果となり、フィッシャー・ダラス連銀総裁が『経済は力強く、サブプライムの嵐を克服できる』と発言したものの反応は限定的です。

明日は米雇用統計の発表を控えており、昨日の米指標を受けて景気減速懸念が高まっていることから、結果次第では相場が大きくぶれる可能性があり注目です。

2007年04月04日

一気に懸念材料が払拭

・インフレ懸念〜イラン問題が沈静化したことなどから原油価格が下落し原油価格の上昇が一服
・足元の景況感に対する懸念〜 2月中古住宅販売保留が予想を上回ったことでサブプライム問題の終息も期待

から一気に懸念材料が払拭されたことでドル買いへとシフト、大幅上昇に繋がったものと思われます。金曜日の雇用統計、イースター休暇を控えマーケットが薄商いの中、2月27日以来の119円台乗せが目前に迫っています。

ポジション持越しには注意

米財務省は2日、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を4月13日にワシントンで開催すると発表しました。

2006年4月21日のワシントンG7では、G7前に119円近辺だったドル円が5月半ばには109円台と10円の大幅下落となりました。このドル大幅下落の要因は、

・共同声明が中国を「一段の為替柔軟性が必要」と名指ししたこと
・FRBバーナンキ議長が4/27の議会証言で、これまで連続して実施してきた利上げの「小休止」を示唆したこと
・G7と同じ週末にスウェーデンが、外貨準備に占めるドルの比率を下げてユーロにシフトしたという発表をしたこと

などです。今回G7でも、3月末に米国が中国製品に対する相殺関税の発動を発表したばかりで、世界的不均衡是正や人民元、円安問題が話題にならざるを得ないと思われます。

G7前に思惑や噂で相場が動くことが十分考えられ、ポジションの持ち越しには注意が必要です。

2007年04月03日

疑心暗鬼の相場

ISM製造業景気指数が予想を下回ったことや、原油価格の上昇を嫌気してドル売りとなる場面もありました。ただ、原油価格の上昇が一服となると買戻しや押し目買いも入り、堅調な展開となりました。

インフレ懸念や景況感の悪化に敏感に反応、疑心暗鬼の相場となっていますが、逆にインフレ懸念がくすぶっていることでリスク資産からの資金逃避の動きはなく、ドル円は落ち着き底堅い展開となっています。

2007年03月30日

インフレ懸念より景況感

昨夜の米GDPが予想を上回って2.5%と上方修正されたことや失業保険申請件数が予想を下回ったことから、景況感の悪さを打ち消す格好となりドル買いが先行、クロス円も米指標を好感し上昇し上値を拡大しました。

朝方発表された日銀の追加利上げ時期を探る上で注目される国内CPIが、10ヶ月振りのマイナスで円売りとなったものの、その後の鉱工業生産は2ヶ月連続のマイナスながら予想を上回り、強弱いりまじった展開が続いています。

ただ、原油価格の急上昇を嫌気する動きから、サブプライム問題などで景況感が悪化する中で、物価上昇となると「スタグフレーション」への懸念となって、金利の調節ではなんとも出来ないという見方もでてきますが、現状ではインフレ懸念よりは景況感により反応し易い状況のようです。

2007年03月29日

景気、物価の両にらみ

28日のバーナンキ議長の上下両院合同経済委員会での証言、

○「米経済の先行きに対する不透明感がここ数週間でやや増した」と述べ、景気減速の懸念が強まったとの認識
○「金融政策の将来の判断は、物価と経済成長の見通しの変化に左右されるだろう」と語り、なかなか下がらない物価上昇の懸念に配慮

と利下げと利上げの両方に備える意向を表明し、金融政策の「次の一手」を柔軟に判断する姿勢を堅持しました。

また、議長は「現行の金融政策は持続可能な経済成長と物価上昇率の緩やかな低下を促す」と、当面は政策金利を据え置くのが望ましいとの判断を示しています。

景気、物価を両にらみしながら、グリーンスパン前議長の置き土産である住宅バブルの後始末と、世界的カネ余りの中、産油国や中国の国内で使い切れない巨大マネーへの対処は、バーナンキ議長の試金石です。

2007年03月28日

スタグフレーション懸念?

米住宅価格指数の低下や米住宅大手の減益決算の発表、原油価格の上昇などを嫌気して軟調となりました。3月の消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数が共に予想を下回る弱めの結果となったこともサブプライム問題と合わせて、景気後退に繋がるのではないかとの懸念で売り急ぐ動きもあったものと思われます。

住宅関連から足元の景況感にかげりが見られ、そのなかで原油価格が上昇していることがインフレ懸念を通り越して、インフレ(物価の上昇)と景気後退が同時に発生するスタグフレーションへの懸念へと進んでいるような感じです。

FRBに対する信頼は厚いものの金融政策の舵取りも難しいのではないかとの見方が出ているものと思います。今夜のバーナンキFRB議長の議会証言を控え、利下げに関する思惑が交錯しており、追加引き締めの文言が削除されたことについての説明が注目されます。

2007年03月27日

レパトリvs円借り取引綱引

国内の輸出企業や国内機関投資家が年度末を控え、
・外貨で獲得した海外利益を円に換金するレパトリ
・外国債券の償還(今週末にかけ300億ユーロ超のユーロ債償還)
・為替予約(先物の円買い・ドル売り)
などで円買いを進めています。

この動きが、
・株価安定で復活した欧米ヘッジファンドによる円借り取引の円売り
・新年度へ向けた外貨建て投信の設定に伴う円売り
と綱引きをする格好となっていて、円を下支えする一因となり円借り取引が復活した割には、円安はそれほど進んでいません。

2007年03月26日

窓埋めから下値探る展開へ

窓空けスタートとなったNZ円は、朝方の貿易収支が市場予想より改善したことに対して市場は素直に反応し、84円台まで窓埋めを完了しました。

現在はユーロ、ポンドを筆頭に円買いの流れを起こしている模様です。ユーロ債償還による円買いや国内輸出企業の期末に絡む円買いで、ドル円もクロス円の動きにつられて下落、地合いに押され下値を探る展開です。

先週は、サブプライム問題への懸念が薄れ、景況感の底堅さが見られたことからドルも買われ、底堅い動きとなりましたが、上昇しきれず118.30-50の上値の重さを確認した格好です。

2007年03月23日

ダブルボトム後の半値戻し

20070323.gif直近最高値(1/23 241.54)から直近最安値(3/6 221.10)の英ポンド円のフィボナッチ・リトレースメントをみると、
・61.8% 戻し: 233.73
・50.0% 戻し: 231.32
・38.2% 戻し: 228.91

3/6の1番底(221.10)、3/14の2番底(222.64)と1番底を割り込まずに典型的なダブルボトムを形成後、3/22に半値戻しを達成しました。テクニカル的には上昇トレンドに反転したといえます。

また、トレンドチャートのコマ足もしっかりとした陽線を形成していて、新値三本足も3/21から連続して陽転していることからも、上昇基調に転じ始めてることを裏付けています。

今日のコマ足・新値足チャート

円高進行は限定的?

米利下げ観測の台頭にもかかわらず、円高・ドル安があまり進んでいません。世界連鎖株安が一服し、ヘッジファンドなど投機筋が円キャリートレードを再開させる動きを見せているためです。

・ドル売り:FOMC声明が利上げ姿勢から中立に変わったことをきっかけに強まった米利下げ観測
・円売り:株価上昇でリスクを取れやすくなった投機筋が円キャリートレードを再び活発化

が綱引きし円高進行は限定的で、しばらく膠着するとの見方が増えています。

ドル買いの流れに拍車

英2月小売売上高が+1.4%と市場予想+0.6%を大幅に上回ったため、ポンドは対ドル、対円で本日高値を更新、ユーロ圏貿易収支も-78億ユーロと市場予想-10億ユーロより赤字幅を縮小したため、クロス円主導でドル円も上昇する展開となりました。

バーナンキFRB議長の講演は、サブプライム問題や金融政策についてコメントはなく反応は限定的でしたが、米国10年債利回りが急進したため、ドル買いの流れに拍車がかかったとする見方があります。

118.30付近までのドル円の上昇に牽引される形でクロス円は上値を拡大しましたが、ユーロドルは1.3310台まで下落し弱含みな展開です。上値では118.50に設定されているオプションの防戦売りや輸出筋の売りが控えている模様で、膠着状態が続いています。

2007年03月21日

投資資金の行方は?

東証20日発表の、2月外国人地域別売買動向によると、その買い越し額は

・アジア勢:7,913億円(前月比96%増)
・北米勢:4,528億円(前月比53%増)
・欧州勢:4,965億円(前月比13%増)

で、2月は日経平均が18,000円台を回復、企業の業績上方修正期待が高まり、出遅れ感のあった外国人の買いにつながったためと思われます。

なかでもシンガポール、中国などアジア勢の買い越し額は、2000年1月統計開始以来の最高額となりました。この大幅買い越しは、短期のヘッジファンドが中心と見られていて、中東資金が税金面で有利なシンガポールなどのアジアファンド経由で日本株に流入した公算も大きいといわれています。

ただ、米景気の先行き不透明感などから、外国人は直近2週間で日本株の持ち高を減らしていて、原油価格の下落などからリスク資産からの資金逃避の動きもあって、中東資金がどう流れるのか、為替相場にも影響を与えそうです。

2007年03月19日

窓明け後窓埋め

CPI(消費者物価指数)が予想を上回り、また、鉱工業生産指数が予想を上回ったことから週末のNYは堅調なスタートでしたが、サブプライム問題など景況感に対する懸念は根強く、原油価格の下落などからリスク資産からの資金逃避などを懸念する動きもあって、手仕舞い売りや見切り売りに押される展開でした。

今週は窓明けスタートとなりました。CPIが予想を上回ったことでインフレ懸念も台頭しましたが、原油価格の下落で相殺されてしまった感じです。鉱工業生産指数が予想を上回っても、市場で好感する動きが少ないことは、それだけ悲観的な見方が強いと言うことでしょう。

特に17日の中国利上げ絡みの影響で、オセアニア市場からドル円・クロス円全般は下落し中国元切り上げが拍車を掛けた格好です。東京市場に入り窓明けを埋め、値を戻す荒っぽい動きが続いています。

2007年03月14日

円キャリー規模と市場への影響

今朝の日経記事によれば「世界的な株安など金融市場のかく乱要因として注目されている円キャリー取引の総額が、欧米系の複数の金融機関の推定値のまとめによると20兆円程度にのぼる可能性があることがわかった」とありました。

これだけの資金が一斉に動けば円相場への影響は、1日の取引高70兆円とされる世界の外為市場に対し、20兆円規模の円キャリー取引の影響は軽視できないが、吸収できない大きさではない、と影響を過大視することに疑問を投げかけている。

株式市場でも、短期的には市場の変動要因となるが、6,000兆円にのぼる世界の株式時価総額と比べれば、中長期的な影響は限定的との見方も一部に出ている。

と結んでいます。

・円キャリー規模:20兆円(ドイツ銀、シティ銀試算、渡辺財務官発言)
    ⇔
・世界の外為市場の1日の取引高:70兆円
・世界の株式時価総額:6,000兆円

円買い戻しの動きに注意

・米2月小売売上高が市場予想を下回った
・NYダウが一時200ドル以上の大幅安で推移
・サブプライムローン返済遅延率の拡大(昨日発表データではここ4年で最高)問題が圧迫要因

でドル円クロス円ともに軟調地合いです。今日は米景気後退説が再燃する可能性も考えられ、円買い戻しの動きに注意です。特に対オセアニア通貨での円買いが顕著で、NZ円、豪ドル円の下げ幅が大きい。

2007年03月13日

クロス円軒並み急落

・サブプライム住宅ローン貸し出し機関破綻の噂
・「日銀は7月の参院選を前に追加利上げを実施する可能性がある」との日経記事
でドル売り・円買いが優勢となり、

・短期筋(ロシアネーム)がポンド円でキャリー解消を持ち込んでいるとの観測
でポンド円は一気に4円近くの急落となり、これをきっかけにクロス円が軒並み急落。ドル円も連れ安となりました。

・NZのカレン財務相は「インフレ抑制に向けた新たな方法を模索する」コメント
・クロズナーFRB理事が「インフレと失業率の相関が弱まる」講演発言
・2月米月次財政収支の結果が市場予想より赤字縮小
などがありましたがマーケットの反応は限定的です。

2007年03月09日

歯止め役は個人投資家

8日の日経平均は大幅に反発しました。先週の株価急落の歯止め役は個人投資家で、外国人投資家の売りと裁定売りを個人投資家が吸収した格好になっています。株価の落ち着きで為替も落ち着いてきています。

コマ足で見るとクロス円は、これまで大陰線をつけて下落を続けていましたが、陽転してきました。
http://stock.kikuchisan.net/fxkomaashi.html

まだ完全に陽転しているというわけでもないのですが、本日の米雇用統計の結果がカギを握ると思います。陽転の後押しとなるのか、ダマシなのか、見極めが重要です。

【先週の投資家の動き】(東証8日発表週間集計より)
・外国人投資家の売り越し:約2600億円
・裁定買い残の減少:約2700億円
      ⇔
・個人投資家の買い越し:約5000億円

2007年03月06日

株価急落からの騰落率一覧

高金利通貨英ポンド、NZドルの下落が大きい。株式の含み損(信用評価損益率)も先週末の▲8%から▲12%に低下。

【株価急落前(2/26終値)から3/5までの騰落率】
ドル円 ▲4.4%
英ポンド ▲6.4%
NZドル ▲8.5%
-----------------------------------------
日本(日経平均) ▲8.6%
韓国(韓国総合) ▲6.4%
台湾(加権) ▲7.0%
中国(上海総合) ▲8.4%
香港(ハンセン) ▲9.0%
シンガポール(ST) ▲9.8%
タイ(SET) ▲1.4%
インド(ムンバイSENSEX30) ▲9.0%
ドイツ(DAX) ▲7.9%
英国(FTSE100) ▲6.4%
米国(NYダウ) ▲4.3%
-----------------------------------------

2007年03月03日

底なし沼の可能性?

クロス円は軒並み下落、いまだ底値感のない状況が続いています。依然として、円キャリー解消の動きが根強く、今のレベルを割り込んでくるようだと、底なし沼となる可能性が高くなります。

ショートポジションのまま来週の米・雇用統計を迎えるにはリスキーと、買戻しの動きも期待できますが、米株式市場は今日も下落で始まっています。米株式市場の行方次第では、さらに下攻めが継続する可能性があり、株式市場の動向にも注目です。

2007年03月02日

個人投資家の円売りが壁?

世界同時株安というショックを受けて週初から一気に4円も円高・ドル安が進んだのにもかかわらず、海外で円高に弾みがつく展開になるものの、国内個人投資家の円売りが壁になり117円を突破できない状況が続いています。

・国内個人投資家が円売りを膨らませて円の上昇にブレーキ
・個人取引一巡後は海外勢の円キャリートレードの巻き戻しで円買いが優勢に

個人投資家が強気にドル円買い(円売りドル買い)を仕掛けるのは、ヘッジファンドなどのドル円売り(円買いドル売り)は長続きしないとの読みが働いてるようです。

取引停止措置

大幅反落で取引を開始したNY証券取引所が、その下落に対応するために取引停止措置を発動。この動揺に加え、乗り遅れた向きの円買い戻しが大きく台頭し、ドル円は一時117.00まで下落。

その後予想を大きく下回るだろうとの噂が出ていたISM指数が52.3(予想 50.0)と好結果に。NY証取が取引を再開した事も相成り、反発している。
[ひまわり証券]

2007年03月01日

クロス円軒並み安値更新

・ドル円は昨年12月中旬来の安値となる117.40円付近まで下落
・ユーロ円は2月の安値155.75円付近を割りこみ
・クロス円全般に円買い戻しの動きが活発化、軒並み先月末の安値を更新する展開

2007年02月20日

利上げ判断のポイントは?

○消費:11月家計調査0.7%減少 → 3QGDP個人消費1.1%増に
△物価:11月消費者物価指数0.2%上昇 → 12月消費者物価指数0.1%上昇でプラスを維持
○米景気:12月雇用統計で雇用者数16.7万人増 → 3QGDP3.5%増で軟着陸観測が強まる
○株価:1/16株価1万7202円 → 2/19株価1万7940円
△円相場:1/16ドル円120.32円 → 2/19ドル円119.45円
△市場の見方:利上げ確率3-7割で乱高下 → 5-6割
○政府の反応:けん制発言相次ぐ → 慎重論が多いが言いぶりはソフトに

(注)前回会合(1/17-18)前からの変化:○利上げにプラス、△横ばいかマイナス

2007年02月16日

キャリー利食いvs利上げ

日本GDPの予想以上の改善で利上げ観測の高まりに加え、夕方の英小売売上高が予想外の-1.8%とマイナスサプライズ、対米証券投資、鉱工業生産、フィラデルフィア連銀製造業指数の米経済指標が軒並み市場予想を下回る数字となったことで、円キャリートレードの利食いが想像以上の早さで起こったとみる向きがあります。

これからは日米の金融政策の先行きを見極める展開になりそうです。

・日本:いつ利上げ〜GDPで強まった来週の日銀金融政策決定会合での利上げ観測
・米国:利上げか、利下げか〜一連の米経済指標が弱めの数字となったことで年内の利下げ観測

が市場に広がっています。

アジア勢の動きに注目

日本GDPの予想以上の改善で利上げ観測の高まりに加え、対米証券投資、鉱工業生産、フィラデルフィア連銀製造業指数の米経済指標が軒並み市場予想を下回る数字となったことから、ドル売りの展開となりドル円・クロス円は急落です。

・円キャリートレードの利食いが想像以上の早さで起こった
・テクニカル主導の海外中銀と見られる売り

とみる向きもあります。これから参入するアジア勢がこの動きに追随してくるかが注目されます。

2007年02月15日

明確な利上げサイン?

注目のGDPは予想0.9%に対し1.2%と大幅に上回る好結果、04年-1Q以来の高い伸びとなりました。マーケットはこれを受け素直に円買い・ドル円売りの展開、ドル円は一時119円台後半まで下落し、最安値を更新ことを受けて、ポンド円は一時235円台前半、ユーロ円は157円台中ごろまで値をさげています。

今回のGDPで2月利上げ期待がサプライズ的に高まっていますが、個人消費に関しては横ばいにとどまるため、明確な利上げサインかどうかの見極めが必要です。

2007年02月14日

目先関心は円安続くの見方

仲値決済にかけてクロス円は上昇しましたが、その後反落、現在は値を戻しています。G7の結果から、穏やかな円安基調が続くとの見方が広がっているためです。

昨夜の米貿易赤字が4ヵ月ぶりに拡大し市場予想を上回ったことからドル売りが先行したことで、目先、日米の金融政策の先行きを見極める展開になりそうです。

・日本:いつ利上げ〜15日の10―12月期のGDP速報値が最大の焦点
・米国:利上げか、利下げか〜14日、15日のバーナンキFRB議長議会証言に関心が集中

2007年02月09日

日銀2月利上げ決め手欠く

1月下旬以降の経済指標に力不足のの感があり、日銀が2月に利上げするかどうかについて決め手を欠く状況が続いています。

8日発表の街角景気を示す1月景気ウオッチャー調査の家計部門の現状判断が45.7と悪化、一方8日の春日銀審議員は会見で「インフレリスクを大きく意識する状況ではない」と発言するも、反応は限定的でした。

・G7後の福井日銀総裁記者会見
・15日の10−12期GDP
に注目が集まります。

2007年02月05日

絶好の円買い押し目

ドル円は、G7で円安問題が協議されるとの報道やユーロ円の売りを受けて、121.19円から120.52円まで下落しました。現時点では声明文に円は盛り込まれないとの予想が多勢ですが、絶好の円買い押し目となる可能性があります。

これまでのG7絡みの要人発言から、欧州は「円安懸念」で一致。米国はポールソン米財務長官の発言のみで、「円相場がファンダメンタルズに基づいて、自由な市場で取引されていることに満足」と欧州勢とはスタンスが違うことが窺えます。

2007年01月30日

相場が動意づく時間帯

今日はゴトウ日です。為替相場の動向を見る上で、注意したい時間帯というものがあります。東京時間10時と24-25時(夏時間25-26時)は大口の取引が出やすいため、相場が大きく動き易い時間帯となります。

○東京仲値(東京10時=LDN1時=NY20時)
仲値(なかね)とは、朝10時のインターバンク市場(銀行間の取引相場)の水準をもとに決める銀行の対顧客取引レートのことです。特に5の倍数の日はゴトウ日と呼ばれ、企業など大口の決済が多いため、大きく動きやすい。

○ロンドンフィキシング(東京25時=LDN16時=NY11時)
ロンドンフィキシング(London Fixing)とは、東京外為市場午前10時の仲値のような、ロンドン市場16時(夏時間17時)のフィキシングのことです。大口の顧客取引が出やすいため、大きく動きやすい。

○ニューヨークオプションカット(東京24時=LDN15時=NY10時)
NY市場の10時(夏時間11時)。ニューヨークカットのオプションがあるため東京市場での仲値公示時間のように相場の動意が見られやすい。

2007年01月26日

日銀2月利上げやや後退

今朝発表の12月全国消費者物価(CPI)は前年同月比0.1%の上昇でした。7ヵ月連続でプラスになったものの、上昇率は前月の0.2%より縮小です。

同時に発表された06年平均のCPIは前年比0.1%の上昇で、1998年以来の8年ぶりの上昇で、日本経済が穏やかにデフレを脱却しつつあることを裏づけましたが、市場予想の0.2%を下回り、日銀の金融政策にも微妙な影響を与えそうです。