今週の株式相場は下値を探る展開か。前週末の米国株急落で、投資家の不安感が高まるのは避けられない。株価指数先物が主導する不安定な動きになり、日経平均株価は一時的に年初来安値をつける公算がある。ただ、このところの外国人売りは前週末にかけて一巡したという指摘もある。押し目買いが相場を支える場面も想定できる。
先週は日経平均が週間で303円(1.8%)の下落となった。信用力の低い米個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の広がりを懸念した外国人投資家の売りが優勢だった。
1日には3月16日以来約4カ月半ぶりに1万7000円を割ったが、年初来安値(1万6642円)は下回らなかった。外国人売りはとりあえず後退したとの見方から、徐々に押し目買いも活発になった。
先週末の米国株急落を受けて、シカゴ市場の日経平均先物9月物の清算値は大証の週末終値を330円下回った。週初に先物がこの水準にサヤ寄せするようだと、現物株に裁定取引の解消売りが出て、売り先行で始まりそうだ。
週末には株価指数オプション8月物の特別清算指数(SQ)算出を控えている。先物は短期の思惑的な売買でブレやすくなっている。こうした影響で日経平均が年初来安値を下回る可能性もある。
今週は「積極的に上値を追うには材料不足」という指摘が多い。主要企業の4―6月期業績開示は峠を越えており、株価へのインパクトは限定的とみられる。7日には米連邦公開市場委員会(FOMC)があるが、金融政策に変更はないとの見方が優勢だ。
日経平均の予想PER(株価収益率)は昨年11月以来、約8カ月半ぶりの水準に低下した。東証一部の騰落レシオ(25日移動平均)も「売られすぎ」を示す70%近辺。指標面では割安感が出ている。米国株の持ち直しなどで投資家の不安心理が薄れた場合は、押し目買いが広がる可能性もありそうだ。
[8月5日/日本経済新聞 朝刊]