2007年05月21日

G8週明けオープン後の動き

・18−19日G8のヘッジファンド監視強化
・18日の人民元変動率拡大と利上げ

の影響でG8週明けオープン後の動きが気になるところですが、今のところ先週末のNYクローズの水準で、ややユーロ高で推移中です。この後10:30からの上海株式市場の反応にも注視です。

ドル円@121.09-13
ユーロ円@163.69-76
ポンド円@239.08-18

ファンド勢がどう出てくるのか、ポジション解消の動きとなれば再び円買いが強まる一方、新規材料不在となった場合は、利上げ前倒しの可能性が遠のいた円が再び軟調となる可能性もありそうです。

2007年05月18日

G8で高値圏に張付いたまま

朝方発表の国内指標に市場反応は限定的でした。米新規失業保険申請件数29.3万件(予想:31.5万件)の好結果をきっかけに、一段と買いが強まったドル円が約3ヶ月ぶりの121円台へ上昇するなどドルが全般的に上昇です。

クロス円も高値圏内に張り付いたままですが、NZドル円はやや軟調です。NZ財務相がNZドル高は円キャリー取引の解消リスクを高めるとの懸念を示したことからポジション調整が進んだことが影響しているようです。

今日からのG8財務相会議を控え、今後も動きにくい展開が予想されます。G8は環境問題やヘッジファンド問題が主議題であり為替相場への影響は限定的との見方が一般的です。

2007年05月17日

G8で中国人民元が議題

フレアティー・カナダ財務相が、今週末のG8で「中国人民元が議題となるだろう」と為替政策に関する文言が盛り込まれる可能性があることを示したことから、円キャリー取引に対する警戒感でクロス円の売り圧力が強まり、クロス円は全般的に軟調な展開です。

2007年04月14日

G7後は(週明けの予想)

G7は為替相場に対し「経済の基礎的諸条件を反映すべきだ」と前回の表現を踏襲し、ユーロ高や円安が進む現状を事実上追認して閉幕しました。

週明けの予想は、共同声明の内容が前回とほとんど変わっていないこと、為替に関する表現も変更がなかったことの捕らえ方で見方が分かれています。

【急速な円安の可能性は少ない】
・声明に変化がないことを見越して円売りを進めてきた参加者もあり、週明けから急速に円安が進むこともないであろうとの見方

【声明に変更なしで円売りをしやすい】
・円安進行のけん制を警戒していた市場参加者が、円売りをしやすい環境になるとの見方

G7をめぐる要人発言

ブラウン英財務相が『円キャリー取引がG7で議題にならない』との発言から、ドル円、クロス円ともに上昇する展開となりました。ドル円は一連の米指標が予想の範囲内であったことから方向感のない展開となっていましたが、クロス円の上昇に後押しされる形で119.30付近まで上昇です。

またユーロ円は161円の大台乗せを示現、さらに上値を窺う動きを見せています。昨日はG7に関する要人発言が相次ぎ、今後の動向の鍵を握っています。

今回のG7には中国が参加していない、前回のG7で円安批判の先鋒にたったドイツ財務相も欠席です。声明は前回を踏襲し大きな変更はないのでは?との憶測が強いです。

・4/14 トリシェECB総裁「G7会合前に、通貨への言及は控える」
・4/14 尾身財務相「G7では円はフォーカスされないだろう」
・4/14 イタリア高官「G7では円についての討議があるだろう」
・4/14 ドッジ・カナダ中銀総裁「特に気にしていない−円安について」
・4/13 ユンケル・ルクセンブルグ財務相「通貨はファンダメンタルズを反映すべき」
・4/13 バートンIMFアジア太平洋局長「日本にはまだデフレリスクが存在する」
・4/13 ブラウン英財務相「円キャリートレードはG7で特別な議題にならない」

2007年02月08日

G7対立鮮明(日米欧の事情)

明日から開幕されるG7で、円安の扱いを巡る対立の構図が鮮明です。久しぶりに「円」が論点に浮上した会議の結果次第では、相場が大きく揺れ動く可能性も否定できません。

○欧州の立場は「日本の景気回復が円相場に反映されていない」
・輸出産業の競争力低下を避けたい独仏などは、共同声明での円安懸念の言及を主張

○日米の立場は「円は経済のファンダメンタルズに基づいて取引されている」
・円高・ドル安への反転を恐れる日米は、思惑は違えど声明への盛り込み回避で足並み

○日米思惑の違い
・日本:企業から家計へ景気の波及が遅れる中、輸出を支える円安は景気を維持する支援材料
・米国:円高・ドル安に反転すれば経常赤字を海外からの資本流入で賄う構図が崩れかねない
     中国に人民元改革を強く迫る立場からも、人為的な円安阻止には賛成しにくい

2007年02月07日

G7控え様子見&円安再加速

G7を前にクロス円を買い戻す動きが続いています。欧州要人の円安牽制発言が止まらず、円安再燃の契機になった1月中旬の日銀による利上げ見送り前の水準で、ひとまず様子を見ようとの思惑が強まったためです。

G7での「円安問題」次第で円買い、円売りのどちらでも動けるように「備え」が必要と判断している格好です。市場の注目度が高まる中で「円安問題」が空振りに終われば、再び円安が加速するかも知れません。

2007年02月06日

注目のG7(売り買い交錯)

注目のG7では円安が議論されるとの警戒が強まっていますが、米国・欧州の足並みが揃わないことから、声明に円安が盛り込まれることはない、との見方が大勢となっています。

クロス円全体が値を下げてますが、利益確定の買い戻しもあり、ドル円は120円前半で売り買い交錯、上値も120.30-40で限定的です。ただ中長期的には円売りで、下値では買いも待ち構えている模様。

2007年02月02日

G7絡みのコメント(3)

予想を下回る米PCEの結果ドル円は120.25円まで下落、その後のISMも50を割り込んだことから下値を拡大、120.10円まで売り込まれましたが、今夜の米・雇用統計を控えて、ドルを買い戻す動きが優勢となり120.80円まで買われました。G7声明では円安牽制は盛り込まれないとの噂もクロス円の上昇をサポートしています。

【ポールソン米財務長官TVインタビュー】
・米住宅市場の低迷は底に近づいている模様
・円は開かれた市場でファンダメンタルズに基づいて取引されている
・円の価値が競争的な市場で決定されていることに満足
・円に対して差し迫った懸念は無い
・欧州からの報道受け、円相場を注視している
・中国の最大のリスクは通貨改革の進展度合い
・中国は為替改革に取り組んでおり、今後は時期について協議
・人民元の一段の柔軟性が短期的に必要
・米GDP統計に非常に勇気付けられた
・輸出の伸びは現在輸入を上回っている

【フレアティ・カナダ財務相】
・円についてはコメントせず
・来週のG7では中国の通貨について議論する
・カナダは中国に通貨でより早急な行動を促したい

【トリシェECB総裁】
・円の下落についてはコメントしない
・ユーロ各国はECBの独立性を支援している

【渡辺財務官】
・為替市場の神経質な動き、一挙に大きくならず
・円安はG7の議題にはならず
・G7で円安を議論する人いるかもしれない

2007年02月01日

G7絡みのコメント(2)

ポールソン米財務長官「円の動向を注視する」発言や、景気の底堅さとインフレ圧力の緩和に言及したFOMC声明を引き金とする、円買い戻し優勢な流れが続いています。

・藤井財務次官、G7で円安が主要議題になるとは認識していない
・米上院議員が財務長官にG7で円安問題を取り上げるよう求めた(米自動車業界)
・ポールソン米財務長官、円相場の動向を非常に、非常に慎重に見守っている

2007年01月31日

G7絡みのコメント

ユーロ圏財務相会合では、ユーロ圏の経済見通しに自信を示すとともに、インフレ圧力の残存が示されました。また、為替相場についても議論されたことが明らかとなり、その中で円高についてはこれまでよりも強いメッセージが発せられ、来月のG7においても協議する意向が示されました。

○シュタインブリュック独財務相
・円は対ユーロで「著しく」下落した
・G7では円安について協議
・過去3年以上にわたる円の対ユーロの下落幅について討議するだろう
・ECBと財務相らは、金利についての責任を共有している

○ブルトン仏財務相
・ユーロ圏は、円相場が日本の経済情勢を反映しているかどうか議論した
・為替のボラティリティは経済にとって好ましくない
・円相場は日本経済の実態を反映すべきとの見解で一致

○ユンケル・ルクセンブルク首相兼財務相(ユーログループ議長)
・日本の景気回復、円相場に反映されるべき
・為替水準についてかなり長く討議した
・特にユーロ円レートを検討した、G7でも改めて協議へ
・円に関するコメントは以前のそれより強い
・最終的なG7為替声明は、全G7参加者と協議へ
・為替相場の過度のボラティリティーは経済成長につながらずとユーロ圏財務相は認識

○ソルベス・スペイン財務相
・通貨の急激な動きは好ましくない
・通貨の過度な変動は常に懸念要因

○アルムニア欧州委員
・円はファンダメンタルズを反映すべき
・ユーロ圏経済は回復基調にある
・円に対する政治的影響に反対する

2007年01月25日

G7円安議論発言

渡辺財務官発言に続きドイツ財務次官発言をうけて円が売られています。昨日来のG7にからんだ円買い戻しの流れを断ち切る当局者のコメントにNY勢がいかに反応するのか注目です。

○独財務次官
・現時点では、円安をG7の議論にする予定はない
・円安は間違いなく懸念要因だが、市場に任せる

○渡辺財務官
・G7ではアジェンタとして円安を取り上げることはない
・G7では議論の中で円安を取り上げる人がいるかもしれない

○尾身財務相
・G7では円安問題取り上げるとの話は聞いていない

○独首相顧問
・G7で円の下落問題を取り上げる可能性ある
・G7での円問題協議には慎重さが求められる

2007年01月24日

円の独歩安鮮明に(G7期待)

円の主要通貨に対する独歩安が進んでいます。ドル円は121円台後半と約4年ぶりの高値水準まで上昇し、1ヵ月半で7円余り上げました。ユーロ円でも一時158.24円と最高値を更新しました。英ポンド円も241.48円と14年ぶりの高値です。

昨夜の福井日銀総裁発言が円安を容認するような内容となったため、円売り安心感を後押しし、超低金利の円を借り入れて、外貨建て株式や債券、国際商品相場に投資する円キャリートレードが再び拡大しています。

市場では来月2月のドイツG7会議で円安が課題となりかねないとの懸念も出始めています。昨秋の前回G7前には欧州から円安牽制発言が相次ぎましたが、2月G7会議を契機に円が買戻される可能性もあります。

【福井日銀総裁発言】
・円キャリーの急激な巻き戻しで生じるリスクを注視
・最近の消費データはいくらか良いが、強弱まちまちな場合は慎重になる
・市場との対話が今回は円滑ではなかった部分も
・政治的なスケジュールを節に政策判断はしない

2006年11月20日

G20声明、APEC首脳宣言

【G20声明】
世界経済は堅調なペースで拡大続ける
通貨の柔軟性が力強い成長を長期化させる
日本は政府資産の売却推進目指す
G20は北朝鮮の核実験を非難
欧州は雇用拡大に焦点合わせる=柔軟な労働市場に努力
世界経済でインフレリスク強まる
世界の経済成長は若干鈍化するだろう
インフレ圧力は金利上昇の必要性の可能性示す
保護貿易主義は世界の繁栄への脅威
世界のエネルギー需要は大幅に増加するだろう
ドーハラウンドの交渉の早期再開を
マネーロンダリングとテロ資金に対する行動望む

【APEC首脳宣言】
全域FTAの研究開始07年に報告=北の核触れず
WTOドーハ・ラウンド早期再開が最優先事項
国際競争力の確保へ経済・技術協力が重要
APEC改革案を採択、改革進化が必要
鳥・新型インフル予防、対処の行動計画を承認
エネルギー安保が持続可能な経済発展に重要
[ひまわり証券]

2006年09月19日

G7後のトレンド分析

【米国】
・米国経済について、鈍化しているものの引き続き強固だがインフレ圧力も持続
・強いドルは非常に好ましい、ドルの価値は市場で決められるべき
・中国の為替相場の一層の柔軟性が望ましい

【ユーロ】
・景気拡大局面が定着しつつあり、同時にインフレ懸念もある
・極度のユーロ高は望まない

【日本】
・ゼロ金利を解除した日本は、景気回復の基盤が広がっている
・景気持続のためにも適度な円安は望むところ

日米は適度の円安・ドル高は歓迎、ユーロ圏は極度の円安・ユーロ高を警戒、ということですので、今後はドル円はゆっくりと円安に進み、ユーロ円は円高に進むのではと考えます。

2006年09月16日

シンガポールG7共同声明

G7は今日夕方、
・インフレ、原油高、保護主義の3つの懸念を列挙し、G7各国が健全な政策運営に努める
・米国経済について、鈍化しているものの引き続き強固
・欧州経済も依然として堅固
・ゼロ金利を解除した日本は、景気回復の基盤が広がっている
・中国に人民元の一層の柔軟化を求める

と指摘するなど世界経済の明るさを強調した共同声明を採択し閉幕しました。

前回4月同様、中国を名指しして対応を迫りましたが、前回の二の舞いは避けたい?との考えから、日米が為替に深入りすることを避けたこと、ユーロ高是正について具体的言及は見送られたこと、で前回のような極度な円高はないのではと考えられます。

G7後、円安進行か

今日からG7が始まります。G7で「為替は主要議題にならない」との市場予想通りなら、週明けは金利差着目で、一段と円安が進む可能性があります。G7で特段問題がなければ、今後、1998年からの抵抗線がある118円後半を意識した取引が想定されます。

【円安要因】
ドル円は7月以降、116円を中心に小幅な範囲で動いてきましたが、じりじりと円安方向に値動きの範囲が移ってきています。円ボラティリティも低水準にあり、円相場が安定してるため、

・海外投機筋などが日米の金利差に着目してキャリートレード(円売りドル買い)を再開
・国内投資家を中心に金利差に着目した円売り・ドル買い意欲が強い

との見方で、利回りを狙った取引がでやすくなっていて、4月のワシントンG7後のような急速な円高が進む可能性は小さいのではと思います。

【円高要因】
9/12週シカゴIMM取組高報告(投機筋)の円売りポジションが、8/29週の過去最高値(88千枚)をさらに拡大(99千枚)しました。円をある程度買い戻さざるを得ない水準まで膨らんだとの見方も強く、どこでポジション解消(利益確定)されるかにも注視です。

2006年09月14日

G7&重要指標待ち

ニュージーランド準備銀行(RBA)で政策金利が据え置きとなったものの、「これ以上の引き締めは不必要という確信が持てなくなっている」とのインフレ懸念を払拭しきれないコメントでドル売り優勢です。

ポールソン米財務長官も講演で「中国にはより柔軟で市場主導の為替レートが必要」と指摘しましたが、要人発言に瞬間的に反応を見せるもいづれも短命、相場への影響は限定的でした。

週初からの「意外なドル買い」でG7がインベントリスクとして意識されだしたのでしょうか。今日の米小売売上高、明日のユーロ圏と米国の消費者物価指数(CPI)もあるので、ポジションを傾けづらい流れとなっています。

2006年09月09日

G7後の円急落シナリオ

ユーロ圏政府要人の円安・ユーロ高懸念発言が相次ぎ、16日のG7会議後に急激に円高が進むのではという懸念が高まっています。

前回4/21のG7後の共同声明で、新興国に対し為替相場の柔軟性を求めたことを受け、アジア通貨の下落につられ円が急落(118円→108円)した鮮明な記憶が残っていて、さらに今回は欧州側が円を直接名指しで懸念を示しているためです。

ただ、日本は議長国であることや中国のように為替介入で円安誘導しているわけではないため、G7が共同声明で円安の修正を迫る可能性は低いとの声もあります。

円安の流れが変化したのは、前々週の仏・ラガルド貿易相発言を伏線に、7日の独・ミロウ財務次官発言からで、ユーロ円は2円高、ドル円は1.5円高と一気に急落、翌8日には下落分を取り戻し、円安基調にひとまず歯止めがかかっています。

それでも、円がG7の影響を受けやすい地合いにあるのは事実で、G7後の相場の行方を占う意味でも、G7までの各国要人発言には要注意です。

2006年06月22日

G7後の窓埋めの可能性

先週後半から今日までのチャートを見ると、ドル円は114円と115円を行ったり来たりです。気になるのは下値が切り下がり上値が重くなって来てることです。

流れとしては下向きのムードが支配的?な感がしますが、G7後の4/21-24の窓(116.55-115.94)を埋めに行く可能性は遠のいたのかも知れません。

今日は、21:30(米) 新規失業保険申請件数(予想30.7万件)、23:00(米) 5月景気先行指数(予想-0.5%)と米指標発表があります。前週に続き今週も30万台を割るようだと、来月の雇用統計に影響を与える可能性も出てきます。

ただ、114円台がなかなか崩れないのと、市場の中心テーマが雇用ではなく金利にあることを考えると、ドル円はどう動いていくのか注目です。